2024.11.22
クォータリー通信
クオータリー通信(江田物流本部長 2024年11月)
皆様こんにちは。第2回クオータリー通信の執筆を担当することになりました物流本部の江田智和です。以後、年4回発信の内の1回を私が担当しますので、どうぞお付き合いください。
さて、今回は初回ということで、自己紹介を兼ね、私が参加した社外研修「Xアカデミー」について紹介します。少し長くなりますが、飲み物片手にお付き合いいただければ幸いです。
「Xアカデミー」は、岡山県内の経営者有志が立ち上げた、次世代リーダーを育成するための手作りの学びの場で、私はその第一期生として参加しました。 ここでは、ビジネススキルの習得だけでなく、リベラルアーツの学びを通じて、総合知に磨きをかけ、リーダーに求められる応用力・実践力を身に付けていきます。 その中の代表的なカリキュラムの一つが大原美術館での「対話型鑑賞」でした。私自身、芸術とは縁遠い生活を送ってきていたため、芸術へは苦手意識を持っており、研修当日は、憂鬱な気持ちでいっぱいでした。 (ところが、この考えを一変させられることに)
「対話型鑑賞」は、ファシリテーター進行のもと、一つの作品をめぐって20〜30分程度、グループで対話を重ねながら作品を読み解いていきます。そこに美術史などの専門知識は不要で、正解不正解といったジャッジも発生しません。あくまで自分が、その場で抱いた感想や想像を言葉にして相手に伝えていきます。一見簡単そうに見える作業ですが、これが意外に難しく、最初は私をはじめ参加者全員が戸惑っていましたが、さすが経験豊富な学芸員、すかさず参加者からの発言を引き出すようサポートをしてくれて、徐々に場が和んでいきました。 アートという受容性の高い題材に、相手の意見を否定しないといったシンプルなルールを課すだけで、次第にどんな発想でも、この場では受け入れてもらえるといった安心感が醸成されていき、制限時間が終わるころには、自然と多種多様な意見が飛び交い、「Aさんにはこう見えているのか、そう言われると確かにそう見える、ではこういう見方もできるかも」など、互いに「気づき」を誘発し合あう場へと変化していきました。なかには、作品に描かれた人物の影を見て、「これは背後霊で死を連想させている」などの意見もありましたが、この独創性溢れる意見でさえ、この場では全く違和感を覚えないほどの前向きな雰囲気でした。そして気付けば、対話によって自身の感性が研ぎ澄まされ、作品の見え方が最初の印象からどんどん塗り替えられていくといった、これまでに経験した事のない不思議な感覚に魅了されていきました。おそらく普段の生活や仕事の中では、このような経験は出来なかったと思います。コミュニケーションの奥深さを改めて感じさせられる研修となりました。機会があれば、皆様も、是非「対話型鑑賞」を経験してみてください。特に、私のように美術に苦手意識を持っている方には、お勧めです。
この他にも、Xアカデミーでは、手作りならではの特色のあるカリキュラムや個性豊かなメンバー達との出会いなど、ここには書ききれないほどの経験や思い出がありますが、残念ながら紙幅が尽きましたので、またの機会に、紹介していきます。それでは、当記事も否定ではなく、是非前向きに読んでいただければ幸いです。